製品名 天皇陛下と皇族方と乗り物と
著者名 著:工藤 直通
発売日 2019年03月27日
価格 定価 : 本体5,500円(税別)
ISBN 978-4-06-514757-3
判型 A4
ページ数 146ページ
初出しの貴重な資料、写真で伝える!!いにしえの御料馬車から御料自動車、お召列車、お召機、お召船まで、皇室の専用乗り物をすべて見せる完全保存版
新元号「令和」が発表され、平成の時代も間もなく幕を閉じようとしています。31年続いた平成の時代を中心に、昭和、大正、明治と時代を遡りながら、天皇陛下、皇后陛下さらには皇族方がご乗車になる「乗り物」を初出しの超貴重な写真と資料などでお見せしています。
皇室において「乗り物」とはどのような歴史を辿ってきたのか!?
はるか平安以前の時代には「輿」、すなわち棒で組まれた台座の上に屋根の付いた部屋を載せた乗り物が天皇の移動に際して使用された。時代が下るとこの「輿」に車輪をつけた御所車が登場するのだが、この時代には天皇がご乗車されるのは「輿」で「御所車」は家臣の乗り物だったようだ。
平安時代には「御所車」が天皇の乗り物となり、馬車が登場する明治期までは「輿」と「御所車」が隆盛を極め、美を競い豪華絢爛となっていった。
その後明治時代最後期になると皇室に自動車が導入される。大正天皇のご成婚を祝し献上されたものだ。これ以降、皇室への自動車導入は急加速していくことになる。
大正時代から昭和初期、戦前の時代には御料自動車といえば欧米のダイムラー、ロールスロイス、ベンツなどが主流だったが、昭和40年代になるといよいよ国産御料車の時代が到来する。日産自動車と合併する以前のプリンス自動車工業が開発した「プリンスロイヤル」だ。このプリンスロイヤルとはどのような自動車なのか!? いったい何台作られ、どのように使われていったのか!?
さらに時代は平成となり、プリンスロイヤルの老朽化に伴い新たに導入された御料車が、現在も使用されている「センチュリーロイヤル」なのだが、はたしてこの自動車はどのようなものなのか!?
もちろん自動車だけではない。明治期から大正、昭和にかけては天皇陛下のご移動に際しては鉄道が主に使われた。そのために運転されたのが専用車両を使用したお召列車である。このお召列車の専用車両とはどのような車両なのか!? また、運転に際してどのような手順が踏まれたのか!?
こうした知られざる皇室の乗り物の真実に徹底的に迫るのが本書。初出しの写真、旧御料車の図面や資料。お召し列車運転の記録など、資料的な価値も大きいものを惜しみなく紹介しています。
●目次
《第1章》超秘蔵写真で綴る天皇陛下、皇族方と乗り物と
《第2章》儀装馬車 東京奠都の輿、両陛下と儀装馬車の思い出から捧呈式まで
・車輿考
・創成期~儀装馬車1号
・両陛下と儀装馬車の思い出
・信任状捧呈式
《第3章》御料自動車 その華麗な歴史と国産御料車、特別車、私用車を秘蔵写真と資料で大公開
・その歴史と背景
・国産御料車
・オープンカー御料車
・セダン御料車と東宮特別車
・大型リムジン御料車
・天皇陛下の私用車
・皇族方の特別車
・特殊用途自動車
《第4章》お召列車 明治から平成にわたるお召列車の車両と運行の全貌をここに紐解く
・その歴史と背景
・1号編成
・供奉車
・貴賓電車
・新幹線お召列車
・E655系お召電車
・一般車両によるお召列車・御乗用列車
・皇太子御一家の御乗用列車
・ちょっと変わった乗り物
・時刻表に載らない御乗用踊り子号
・旧御料車
・宮廷専用駅
・運転手配
・運賃料金の支払い
《第5章》お召機 お召船 貴重な写真で綴る天皇陛下とお召飛行機・船舶
・お召し機歴史と背景
・政府専用機
・全日本空輸特別機
・日本航空特別機
・陸海空 自衛隊お召機
・海上保安庁/警視庁お召機
・お召船歴史と背景
・海上保安庁お召船
・フェリー、高速艇、渡し船
・遊覧船/和船
《第6章》資料編
・御料自動車・車歴台帳
・プリンスロイヤル御料車車両形式図と特殊仕様説明書
・万博賓客輸送用ロイヤル車両形式図と特殊仕様説明書
・お召列車、お召機、お召船運行記録簿
・大正大礼記録、大礼記録附図より
・賢所乗御車の車両形式図
・賢所乗御車のアンダーフレーム
・賢所乗御車の台車形式図
・御剣爾奉安室に備わる第7号御料車の「御剣爾棚」
・第9号御料車車両形式図
・儀装馬車運搬車
・供納米輸送車車両形式図
・明治天皇御手許資料より
・第6号御料車製作にあたっての要望事項を記した図面
・ストク9010形、初代3号御料車の車両型式図